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Posted by 2024/05/07 18:15 |
本 『幻の光』 (文庫) (宮本 輝 著)
幻の光 (文庫)
宮本 輝 (著)
新潮社 (1983/01)
ISBN-13: 978-4101307015
ASIN: 4101307016



「『幻の光』って読書感想の課題図書の一つじゃなかった?」
そう言われても思い出せない。違うのを読んだのかも。
「全然面白くなかった印象しかないんやけどなぁ」



収録されている4篇どれもに「死」が漂っていて、しかし死との距離が日常的でありそうでまた非日常でもありそうな、そういう雰囲気に覆われている。自然に引き込まれていく。死のテーマが漂っていても全く不快ではない。やはりこれも何かを考えたり、捉えたりしようとしない方がいい作品なんだろう。



しかし15,16歳で読めと言われる課題図書としてはストレートな反応なんだろう。男か女かによっても反応が変わるかもしれない。「文学」って肩書きがつきそうなものをしかも強制力を掛けられたら、しょうもなくなるってもんだ。(逆に、オバハンがダンナ妄想してるだけやんけ、って大阪のガキならふざけるに違いない。)
あの頃からだいぶ過ぎた。当時を偽って「良かったで」と言わず「おもろなかった」と率直に言える気持ちが大事に思える。
「今読むとまたちゃう風に感じると思うで。」そう付け加えた。
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Posted by yuki 2007/01/25 01:03 | Comments(0) | TrackBack() | Books
本 『こころの処方箋』 (文庫) (河合 隼雄 著)
こころの処方箋 (文庫)
河合 隼雄 (著)
新潮社 (1998/05)
ISBN-13: 978-4101252247
ASIN: 4101252246



昨日(1/17)付、河合隼雄氏が任期満了で文化庁長官を退職したという記事があった。昨年脳梗塞で倒れたと報じられたが、文化庁の高松塚壁画問題で心労が祟ったんじゃないか、とか考えてしまうんだけど。一日も早い回復をお祈りします。



さて本。1,2ヶ月ほど前に読み終え書くのも忘れていたけど、この機会に。(今、枕元には中途になっている「働きざかりの・・・」がある。)
読みすすめていくと普通のことが普通に書かれている。そしてあとがきまで読むと「この本には「常識」が書かれている」のような一文に出会うだろう。

ここに来て著者の凄さを改めて思い知るのである。常識を常識として書き続けて、読者の中には「こんなの当たり前のこと」と言われそうなところのものを、「そうでんねん、常識書いてるだけやさかいに」と誇ることもなしに言い放って終わっている、そんな凄さ。



「うそは常備薬、真実は劇薬。」
「ふたつよいことさてないものよ」
「自立は依存によって裏づけられている」
などなど50数編のエッセイ。

各章のタイトル、内容はそれが何かの公式のようにも思えてくるけど、内容そのものが読み手の心理的反射を前提にするからこそ、常識というすごく間口の広い人それぞれの真理を示しているような感じがする。
しかも、示してみたけどそれをも全て正しいとは考えていない。職業上の問題でなく、一個の人として「悩み」の部分をどう考えていくかを実践してきた人なんだろう。そこここにそんな雰囲気を感じる。そしてそれらを関西人らしく一瞬で笑いに変えて流してしまうこともできてしまう。



すすめられて読む本でもないし
急いで読まなくてもいいし
かしこまって読むこともないし
全部を読む必要もない



読み進めながら、一つ自分自身に何か問題があるとすれば、
「河合隼雄がそう言うなら・・・」
と思ってしまうこと、そして割と素直に聞けてしまう。
同じことを同年輩の人間がさも分かった風に宣っていたら、殴り倒さんばかりになりそうだ。身をもって示す、とまで行かなくても、やっぱり言葉で雰囲気を醸し出す人のものでなければ、こちらにも響いてこないというものだ。

Posted by yuki 2007/01/18 17:23 | Comments(0) | TrackBack() | Books
本 『ほんじょの虫干。』 (文庫) (本上 まなみ 著)
ほんじょの虫干。 (文庫)
本上 まなみ (著)
新潮社 (2004/06)
ASIN: 4101028214


去年の9月頃に買い枕元の一冊になっていました。「ほんじょの鉛筆日和。」と一緒に買ってそちらはすぐに読み終えてしまいましたので、こちらは敢えてゆっくり進行してました。昨年「オカンになります」と発表した本上まなみのほんわかエッセイ。



Posted by yuki 2007/01/07 23:50 | Comments(0) | TrackBack() | Books
本 『神菜、頭をよくしてあげよう』 (単行本) (大槻 ケンヂ 著)
神菜、頭をよくしてあげよう (単行本)
大槻 ケンヂ (著)
ぴあ (2003/11/25)
ASIN: 4835600975

大槻ケンヂの本、この数ヶ月で3冊です。しかも手元には次の分としてリンダリンダラバーソールが・・・。

「恋とはなんでしょう?」もいいですし、「少女よ、すきなかっこうをするがいい」なんかもいいですね。

おかしさとせつなさは一種オーケンへの共感を呼び起こし、「最近、俺はポルシェを買った。」によって破られます。そういう持って行き方そのものが自意識の流れを感じさせたり、と。



あー、そんな意味でポルシェ欲しい。

Posted by yuki 2007/01/06 03:56 | Comments(0) | TrackBack() | Books
水滸伝への道
書店で文庫版の水滸伝(北方謙三 著)が平積みされているのを知りながら見てみぬフリをして1ヶ月ほど過ぎました。しかしついに1巻を買ってしまいました。もの凄く先は長いのです。毎月1冊ずつ刊行されて最終巻は再来年になるそうです。足を踏み込んでしまいました。年末年始の休みに2巻ぐらいまで読んで追いつければと思います。

第9回司馬遼太郎賞受賞作ということですが、そうですか司馬遼太郎がなくなってこれまた10年ぐらいなんですね。当時「義経」やら「坂の上の雲」やら結構はまって読んでました。あの頃からですか、結構本を読むようになったのは。

公式ホームページに謎の水滸伝メーリングリストがあったので登録してみました。(兎に角最後まで読みきるぞ、という意味合いも込めて。)
Club水滸伝 登録完了のお知らせ

登録、ありがとう。これから、月に一回ずつメッセージを送る。『水滸伝』の本筋には関係ないが、知っているとにやっと笑ってしまうような、そんなことが伝えられればいい、と思っているよ。
じゃ、今度の発売日に。 北方謙三


このメールは、Club水滸伝に登録いただいた方に、機械的に送信しています。
・・・
自動メッセージなのにも関わらず、北方謙三のSignatureにテンションも若干上がります。(単に妄想でやられているだけです。)
準備は整いました。さて一歩ずつ行きましょうか。


それにしても文庫本630円ですか。この本に限らず最近文庫本の価格が全体的に上がってるのか500円オーバーが当然のような感じです。この本を500円ぐらいで提供してもらえるといいんですが。

Posted by yuki 2006/12/26 15:00 | Comments(0) | TrackBack() | Books
本 『管仲 <上>・<下>』 (文庫) (宮城谷 昌光 著)
管仲〈上〉 (文庫)
宮城谷 昌光 (著)
文藝春秋 (2006/07)
ASIN: 4167259176

管仲〈下〉 (文庫)
宮城谷 昌光 (著)
文藝春秋 (2006/07)
ASIN: 4167259184

前半部分は鮑叔、後半は管仲を中心に描かれています。管仲の若き日は創作によるところが大きいようですが、実際にそうだったのではないかと思えてきます。家族の問題や失恋、出仕できる人がいないことなど不遇の時が流れます。その中で鮑叔だけが管仲を理解してます。そして天のみが管仲の才能を知っている・・・。


「管鮑の交わり」という故事成語で知られる管仲と鮑叔の話。管仲の宰相としての才よりも二人とそれを取り巻く人間模様がメインの作品だと思いました。
と、さも知ったように書きましたが、「管鮑の交わり」という言葉は聞いたことがある程度。また鮑叔の名前も過去出会った記憶がありません。平積みにされた本作品を手にとった理由は、高校時代に世界史用語集で管仲の名前を見たような気がして・・・、ただそれだけでした。
しかし、この作品を読むと後に諺になってしまう程の二人の関係をまざまざと見せつけられます。


初めて宮城谷昌光作品を読みましたが、また近々読みたいと思いました。


Posted by yuki 2006/12/22 17:26 | Comments(0) | TrackBack() | Books
本 『星々の悲しみ』 (宮本 輝 著)
星々の悲しみ (文庫)
宮本 輝 (著)
文藝春秋 (1984/01)
ASIN: 4167348012

宮本輝作品で読むのは2作目。発売が1984年ということはもう20年以上前の作品です。今年読んだ「約束の冬」では長編ということもあるのか色々な視点から書かれていますが、この本に入っている作品では専ら若い男性が主人公です。時期もあるでしょうけど色々と作風が出てくるのはそれだけでも面白いものです。やっぱり同じ作家のものを2,3冊は読んだ方がいいという証左でしょうか。

主人公の日々の生活と身近にある死との距離感みたいなものが、叙情的景色と相俟ってなんともいえない雰囲気を作り出しています。「星々の悲しみ」がかなり好きになりましたが「小旗」などもいいですね。
この作品(集)も、何かを考えながら読む、そういう類のものではないでしょう。この時期の宮本輝作品をまた手にとってしまいそうな予感がします。

Posted by yuki 2006/12/20 17:12 | Comments(0) | TrackBack() | Books
本 『デッドエンドの思い出』 (よしもと ばなな 著)
デッドエンドの思い出 (文庫)
よしもと ばなな (著)
文藝春秋 (2006/07)
ASIN: 4167667029
「幽霊の家」が一番印象深く、次に「デッドエンドの思い出」でした。登場人物が持っている時間の流れ方みたいなものが伝わってきて、読んでいてなんだか心地よかったような気がします。明るくなれるかもしれないし、前向きになれるかもしれない、悲しくなるかもしれない、切なくなるかもしれない・・・。どの作品もよく人を見ている何かがあるというか機微が感じられるというか・・・。色々な感想がでてきそうだけれど、清清しい読後感が訪れます。

よしもとばななの作品は初めて読みましたが、この作品の帯やあとがきに「自分の作品の中で、いちばん好き」と書かれています。さて次は何を読んでみようか、そう思いました。他2,3作読めばこの作品の位置ももう少し分かるのかも知れません。

Posted by yuki 2006/11/28 23:50 | Comments(0) | TrackBack() | Books

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