宮本輝作品で読むのは2作目。発売が1984年ということはもう20年以上前の作品です。今年読んだ「約束の冬」では長編ということもあるのか色々な視点から書かれていますが、この本に入っている作品では専ら若い男性が主人公です。時期もあるでしょうけど色々と作風が出てくるのはそれだけでも面白いものです。やっぱり同じ作家のものを2,3冊は読んだ方がいいという証左でしょうか。
主人公の日々の生活と身近にある死との距離感みたいなものが、叙情的景色と相俟ってなんともいえない雰囲気を作り出しています。「星々の悲しみ」がかなり好きになりましたが「小旗」などもいいですね。
この作品(集)も、何かを考えながら読む、そういう類のものではないでしょう。この時期の宮本輝作品をまた手にとってしまいそうな予感がします。
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